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9日目のこと・1 ~フェズでメディナに彷徨い、タジンを喰らう~ [はじめての複数国周遊~モロッコ編~]

 次に乗るバスの出発時間は21:00発。とにかく時間があるので、ギリギリまで寝てやる。
 9:30に起床し、だらだらしてからホテルをチェックアウト。荷物を預け、昨夜は諦めたメディナの散策へ向かう。

 すでに昼前で日の高いフェズの街並みは、とうぜんのことながら昨夜とはまったく違う明るい貌を見せていて、体力も回復しているわたしの足取りも軽い。

 たどりついたメディナも同様に、昨夜とは打って変わって人で溢れかえり、紀行もののテレビでよく見る景色が目の前にあった。

 いや、実際そこに入り込むと、テレビの画面では伝わらない“汚さ”が見える。それゆえに街は生臭いまでの生活感に満ち、それゆえにパワフル。

 スークの喧騒。
 色の氾濫と、それを抑えこむ土色。
 漂う香辛料と家畜の匂い。
 細く入り組んだ路地を、人とロバが身を擦るように行き交っていく。
 さらにその間を縫うように歩いていくと、突然現れるミナレット。
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 スークでは、新市街とは比較にならないほどの「コニチワー」攻勢。わたしのゆるんだ心も引き締まる――なにしろ相手は商売人だ。今度こそおれをだまくらかそうとしているに違いない。あぁそうに違いない――そもそもこの雰囲気を味わいたいだけで買い物をする気のないわたしは、再びかたく心を閉ざし、ひたすら無視を決め込んでしまった。
 しかし、ただ挨拶しているだけで悪気がないのだとしたらひじょうに申し訳なく、それで無視するのに気疲れしてしまう。いい具合に放っておいてくれるヨーロッパが恋しくなってきた。

 それにしても「アニョハセヨ」とは言われない。彼らに見分けがついているのか、まだ韓国人のひとり旅は少ないのか。
 ちなみに日本人に限らず、すれ違う外国人観光客の中に、ひとり歩きをしている人は見かけなかった。

 さて、ここらでそろそろ昼めしでも。
 幸いにも、すぐそこにガイドブックに載っている明朗会計っぽいレストランがある。マクドナルドばかりというののつまらん。せっかくだし、モロッコらしいものでも食っておこうではないか。
 で、“ル・カスバ”なるレストラン。テラス席がいかにも観光客向けで、料金はべらぼーに安いわけでもないが、それが逆に安心。

20090210114842.jpg
 この前菜に出てきたカレースープがなかなか美味い。ま、わたしはカレー味ならなんだっていいのだが。

 そして、いよいよ“モロッコらしいもの”。いまやブームにもなったタジン(当時はそれほど知られていなかった)。
20090210120246.jpg
 あの特徴的なフタは、すぐにウエイターが持っていってしまい撮影できず、これではなんだかわからないが、とにかくタジンだ。
 注文したのはチキンベースのものだったが、味はとくにどうということはなく、いたってシンプル。味オンチのわたしでも、“鶏肉と野菜を煮込んで、サフランやらで味付けしたもの”と簡単に説明できるほどで。
 もちろん不味いわけではない。オリーブをそのまま食すのがそもそも苦手なので、それに目をつぶれば、じゅうぶん美味いものであった。
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