いってきます

　まぁ毎年のことだし、目的地も以前に書いてしまっているし、今回は小細工なしで。

　で、「明日ちょいとでかけてくる。帰り遅くなるから」と、同居する親に告げたのは、これも毎年恒例で直前のこと。

　「あぁそう。何時頃帰ってくる？」

　「夕方頃。２４日のね」

　あぁ５年前も同じようなこと言ってたっけか。

　“時間と時間との間には断絶があるの”

　とは、某未来人のお言葉だが、ま、わたしが認知できる限りにおいてはやっぱり時間は連続したものであり、５年前から連綿と続き、繋がっている（ように思える）。

　よし、じゃ、そういうことなら――

再訪

　ーー5年前の夜、この街に別れを告げ、そして再訪を誓った場所。

　そう、時間はたぶん続いている。

　だから、わたしにとって旅の始まりは、この場所こそふさわしい。

モンマルトル散歩

　ユトリロの白は、どのようにして生まれたのか。
　モンマルトルに行ってみたら、答えはあっさり出た。

　もうユトリロの絵そのまんま。

　街の色を忠実に再現しているという、それだけの話だ。
　ただ、その“白”を描くだけでこの街そのものを表現してしまっているのだから、すばらしい。

　やはりパリには、夏の晴れ渡った青空よりも、冬の冷たく重い曇り空のほうがよく似合う。

ヴェルサイユからカタコンベ

　薔薇は薔薇はーー

　薔薇は薔薇はーー

　まぁ美しいかどうかは別として、人間、誰しも最後は散るわけで。生きてるうちにどんなに気高く咲いていたって、死んだらみんな同じ、骨になるだけ。
　栄枯盛衰というか、諸行無常というか。
　とにかく強烈なハシゴであった。

アンジェリーナ本店でモンブランを喰らう

　“カフェで元祖◯◯を味わう”ことが海外旅行の恒例になりつつあるので、今回もひとつ、三十路男ひとり、がんばってみた。
　ちなみに味はいたってふつー。そこらで売っているものとたいして変わりはない。
　と、感じたのは、おれがただの味音痴というだけなんでしょう、きっと。すいません。

せっかくのひとり旅だし

　べつに開催などしていないロンシャン競馬場へ無駄に行ってみた。
　だからどうしたといわれても、とくにどうということはない。ほんとに無駄に行ってみただけだから。中にも入れないし。
　ちなみに無駄ついでにローランギャロスにも行ってやろうかとも思ったが、すでにロンシャンに着いた時点で体力が限界ヨロシクだったので、あっさりあきらめた。

ルーヴルでの出逢い

　いややっぱりこういうのは言語道断、潰れて当然であるが――

　 　――かわいい子供は素直にかわいいと、正々堂々と言っちゃいけないのですか！ 　いけないんですか。そうですか。すいません。

ルクセンブルク入国

　いやもう、フランスにはいないんですよ。今回の旅の目的はフランスにはない。
　その目的のため移動。
　で、せっかくだからと、ちょいと遠回りして立ち寄ってみた。
　指折り数えてみたらこれで海外13ヶ国目。

　ルクセンブルクでございます。

　誰もが一目で“ルクセンブルク” とわかるようなものが何ひとつ思いつかないので、とりあえず数打ってみた。
　いちおう“森と渓谷の国”といわれているそうなので、そんな感じで。

　また、広場に市がたっていたのにたまたま出くわしたのだが(毎週水・土の午前に開かれているそうだ)、いかにもヨーロッパの小都市な雰囲気がしてなかなかよかった。

14ヶ国目

　はい、すでに昨日の夜にはベルギーに入国しておりまして。
　現在ブリュッセルでございます。

　ブリュッセル北駅に到着して、予約していたホテルまで地図上の最短ルートで行こうとしたら、いわゆる“飾り窓”地帯のガッツリド真ん中であった。
　窓辺に座る黒人のおねえさんと目が合い、こりゃいかんと引き返し、遠回りではあるが大通りを行くことにしてホテルにたどり着いた。
　チェックイン後、いったん外出してみたものの、この後夜歩きして、さらに遅くにこのあたりを通ることにびびって、近くにあったカルフールで食糧を調達しただけでさっさと引き返してしまった。夜景やらはまた明日。

　というわけで、ブリュッセルの宿を探している方、少しばかり安いからといっても、それが北駅周辺だとしたら、ある程度は覚悟しておいた方がいいですよ。

ベルギーでベルギーワッフルを喰らう

　こんな忌々しい日にベルギーにいるということは、すなわち真の目的はアレにほかならないわけだが、その前哨戦として。
　戦いにそなえ、ウォーミングアップとしてアレをかけたものを注文。
　さらに小便小僧の近くの店で、美人の店員に惹かれ、ダブルヘッダーに挑んでみた。

　大丈夫だ、問題ない。

　甘いもんは別腹なのよ。

　で、グラン・プラスの夜景を撮影した後、もうひと勝負。
　日曜の夜で人気の少ない通りを、ホテルに向けて歩く。
　途中、ポルノショップが建ち並ぶ道を通ったりしたが、

　大丈夫だ、問題ない(これってもう旬はすぎてるのか？)。

　まだ２１時という、それほど遅くない時間だったうえ、飾り窓地帯も通ってはいないが、まぁ三十路男ひとりで歩くぶんには問題ないのだろう。たぶん。