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8日目のこと・3 ~フェズの夜に言葉で迷う~ [はじめての複数国周遊~モロッコ編~]

 チェックインしてまた部屋に戻り一息入れたところで、2日後に行く砂漠の宿に手持ちの携帯電話でリコンファームの連絡を入れる。予約時のメールのやりとりで、“2日前に電話されたし”といった旨の指示を受けてたため。

 “2日後、必ず行く”
 という他は、

 “エルフード(砂漠の最前線の街)まで迎えに来てほしい”
 “エルフードに着いたらまた電話をする”

 という、これも事前にメールで伝えていたことを再確認するだけなのだが、なにしろ外国語による電話の通話というのは生まれて初めてであり、表情、ジェスチャーがお互いに見えない状況で果たしてどこまで通じるものなのか見当がつかない。
 とうぜん、こちらは英語で挑むことになるわけが、相手の英語力がどの程度のものなのかも不安だ。まったく通じないというのは、それこそ“話にならない”わけだが(メールは英文でのやりとりだったので、たぶんそれは心配ないだろう)、逆にベラベラでこられても、こちとらそこまでのヒアリングはできない。

 例によって極小の心臓が本領を発揮し始め、“まったくおれのような蚤レベル、いや、それでは蚤に失礼なくらいの卑小な人間が、アフリカ個人旅行なんてするもんじゃない”と、こんなところまできてウジウジするが、こんなところまできたら、もう後戻りもできない。
 開き直って電話をかけたら、出たのはメール相手の男性。おかげで話は早い。英語も適度なヘタっぷり。お互い片言の英語でも難なく通じ合い、「じゃ、また明後日。よろしくネ」と、電話を切る。

 そうだ。個人レベルで抱える不安など、実際はたいしたものではないのだ。大概はどうにかなるもんだ。

 さて、ひとつの懸念が解消され、ちょいと心も軽くなったところで、どっぷり日も暮れてはいるが、旧市街まで行ってみることにする。
 ただ、心は軽くなったとはいえ、長時間バスに揺られ、ホテルまでさまよい歩き、10時間飲まず食わずとなると、足取りは重い。
 よちよち歩きで1km強。メディナの手前までやってきた。
20090209204746.jpg
 が、ここでついにくたばる。
 腹減った。動けない。
 そして体力と同時に気力も限界に。
 目の前には、人気も少なくなった、灯りも乏しい巨大迷路のメディナ。
 恐怖心が好奇心を押しのけた。もう怖いのなんのって。
 一度入ってしまったら、やすやすと抜け出せる自信がまったく起こらない。

 明日、明るい内にゆっくり見てまわろう。

 引き返し、途中にあったマクドナルドで晩メシ。
20090209214636.jpg
 “ロイヤルデラックスバーガー”なるものを食ってみると、これがミョーに美味い。日本の通常バーガーより肉がジューシーのような。はたしてこれは、ほんとうに肉が違うのか、“空腹が最高の調味料”ということなのか。

 帰り道。相変わらず、すれ違う人すれ違う人「コニチワー」。
 しかし先程、モロッコ人のやさしさに触れたばかりである。とあるおっさんに笑顔で応答してみた。
 すると、重ねてかけてきたことばが
 「オーサカ?」
 へ? なんで?
 外国人を見ると知ってる単語を発し、聞いてもらいたくなる気分はわかるが、それにしてもなぜそのチョイス。

 彼らに気軽に応答する日本人はやはり関西人が多く、出身地を教えてもらうと、「オオサカ」の割合が高いと、そういうことなのかどうか。
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