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4日目のこと・4 ~ソフィア王妃芸術センター・ピカソ作『ゲルニカ』~ [はじめての複数国周遊~スペイン編~]

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 むかった先は、ありがたいことに夜9時まで開いている国立ソフィア王妃芸術センター

ソフィア王妃芸術センター


 きたぜ、おれvsモダンアート。もう第何ラウンドなのか既にわからなくなっているほどだが、こうなりゃ、いったいなにがおもしろいのかわかるまで、とことん向き合ってやろうではないか――

 ――ところが、だ。

 もう“おもしろい”とかなんとか、そういう次元のものじゃないんだ。
 古典とか近代とか現代とか、そんな枠組みもどうでもいい。

 ピカソの『ゲルニカ』。

 “おもしろい”なんてとんでもない。

 ただただ、かなしい。
 悲しくて、哀しくて、とてもやりきれない。

 あまりにも有名なその絵は本やテレビで見知っていたつもりであったが、思っていたよりも実物は大きく、視界のすべては、その大画面で埋め尽くされる。
 だから絵を観ている間、わたしは惨劇の只中にいた。わたしのいる世界は“戦争”だった。戦いに嬲られる人々が目の前にいた。

 ただただ、かなしくて、かなしすぎて。
 観ているのがあまりにもつらくて、つらすぎて、いよいよ吐き気すら催してきた。
 これ以上観ていたら、もうどうにかなってしまいそうだ。耐えきれず、絵の前から退散してしまった。

 ダリの超現実主義作品を観ながら現実に戻るという、それこそ超現実的な芸当で気を鎮めつつ、“あの時、もっとちゃんと観ておけばよかったかな”と、パリの日をちょいと後悔。

 午後8時半をまわり、美術館を出てすぐ近くのマクドナルドで晩飯。
 平和に呑気に、動物の肉をありがたく頂く。

 そして改めて思う。
 やっぱり戦争はいけない。
 月並みなことばだが、それ以外云いようがない。
 戦争を経験したことのないわたしでも、『ゲルニカ』を観ればそう思える。

 まぁそりゃ、戦争をするにはいろいろ事情や理由があるのだろうが。
 宗教、土地、資源――だからなんだってんだ。理屈じゃない。

 「なんで人を殺しちゃいけないの?」
 子供は、無邪気にも恐ろしい質問をし、大人は凍りついて返答に困るが――ダメなものはダメなんだよ。理屈じゃない。世界があの絵みたいになってしまうんだ。悲しいでしょうよ。

 戦争はいかんです。腹が減るだけです。

 戦争をしたら、結果、残された者がどんな思いをすることになるか、あの絵を見ればわかるだろう。
 ピカソの思い。ゲルニカの人々の悲痛な叫び。
 いや、ほんとうは絵を見るまでもないはずなのだが。

 散々戦争を繰り返して、散々悲しい目にあってきたのに。

 それでも戦いをやめないこの人類に、また悲しくなってきた。


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