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出発までのこと~旅の動機と計画~1 [はじめての複数国周遊~準備編~]

 たとえ目をとじようとも、耳をふさごうとも。
 ふつうに生活していくいじょう、日がな一日、ずっとそうしているわけにもいかず。
 まったく意識せずに生きてみたいものだが、そこまで悟りきれるほどの精神力は、残念ながら持ちあわせていない。

 バレンタインデー。

 ほんと、こんな慣習なくなってしまえばいいのに。

 毎年このイベントをどう乗り切るかに大きな、そしてつまらない労力を費やしているわけだが、2年前、その日をひとりヴェネツィアですごすというくだらなさに味をしめ、もしまた海外旅行をするなら――オフシーズンで安いということもあり――2月14日に合わせようと心に決めていた。

 そしてもうひとつ決めていたことが、ヨーロッパに行くなら次こそスペインにしようということ。
 自称“エル・グレコファン”のわたしではあるが、それでトレドに行ったことがないというのでは話にならない。
 とにかくプラド美術館とトレドに行きたくて、過去2回のヨーロッパ旅行の準備段階で行き先を考えていたとき、第一候補はスペインにしていたのだが、ただそれだけの目的のためにスペインまで行くのもどうかというもったいなさと、海外旅行初心者としての旅のしやすさを考慮し、結局、最初はフランス、次はイタリアを選んでしまった。

 そんなこんなで2008-2009の年末年始。
 原油の暴騰が収まって航空運賃の燃油サーチャージが値下がりし、円高も重なった。
 わたしの懐は――あたたまる気配はまったくないが、クレジットカードのリボ払いやらを駆使すれば、どうにかこうにかやりくりできそうではある(ま、要するに借金するということなのだが)。

 機は熟した。

 パリとヴェネツィアへの再訪に対する未練がチラホラするが、それは見ないフリ。
 もう選択の余地はない。ためらいもない。
 スペイン行き決定。

 そして、スペインに行くなら絶対につけてやろうとしていたオプションがモロッコ行きであった。

 スペインから船で簡単に行けるという利便性と、アフリカ内では一番良いとされる治安の良さ。そしてなにより、人間として生まれたからには、一度は人類発祥の大地に立ってみたいという、アフリカへの憧れ。
 モロッコ、行かいでか。

 どうせスペインまで行くなら、せっかくだからモロッコまで。
 そうなると――

 どうせモロッコまで行くなら、ただ行って帰ってくるだけではなく、せっかくだから主要都市はまわりたい。

 ――となる。で――

 どうせまわるなら、砂漠も行ってみたい。

 ――となるのも当然の流れだろう。だんだん話が大げさになってきた。

 ま、とりあえず、スペイン、モロッコ行きは決定した。
 しかしここで大いに頭を悩ませるのが、スペイン、モロッコの前後の足である。

 さて、ここから、わたしの旅に対するこだわりと、本来であれば個人旅行などしてはならないほどのあまりにも弱すぎる心が葛藤し、せめぎあい、話がややこしくなってくる。
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