2日目のこと・1 ~とはいえ、ほとんどは出発前のこと~ [はじめてのイタリア~ひとりでぇできたぁ~]
ファッションにはまったくの無頓着。気にすることといえば、「なるべく地味に、目立たないように」くらいのものだが、それで出来上がる出で立ちがあまりにもダサすぎて逆に目立ってしまう。
とうぜん土産に高級バッグを買っていくような知り合いもいない。
サッカーにも興味なし。
というわたしにしてみれば、はっきりいってミラノという街になんの魅力もないわけだが、それでもわざわざ訪れる理由はひとつしかない。
サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会。
そうです。あれです。
レオナルド・ダ・ヴィンチ作、『最後の晩餐』である。
どうせならローマかフィレンツェの教会で描いてくれればまとめて観られたものを、めんどくさいことしてくれるぜレオナルドよ。
ここの見学は完全予約制。当日に飛び込みでいっても門前払いをくらうとのことで、わたしも事前に予約をしていったわけだが・・・。
その予約方法。
まずいちばん手っ取り早い方法がインターネットでの予約。
わたしがこのサイトをはじめに見たのが出発の2週間前で、その時すでに、ミラノ滞在予定日の全ての時間が満員(ちなみにその1ヶ月先まで満員だった)。このネット予約は別枠のようで、通常の電話予約枠ならまだ空いているらしい。
その電話予約。英語も通じるそうだが、わざわざ国際電話をかけるまでの勇気と英語力の自信はまったくない。仮に勇気を出して電話をし、予約できたとしても、英語力の自信のなさから、ほんとうに希望どおりの予約ができているのか、結局は不安を抱えたまま渡航に及ぶのがオチである。
そこで残された方法は旅行代理店で予約をしてもらうことなのだが、この予約代行料金がべらぼーに高い。通常料金が8ユーロ(チケット6.5e+予約料1.5e)のところ、某大手旅行代理店を通すと5000円。他の代理店も似たりよったり。
もう諦めようとも思った。
しかし、このイタリア旅行を決意したとき真っ先にミラノ行きの航空券を予約してしまい、その後に細かいことを決めていくという旅程の組み方をしたため、すでに1日以上のミラノ滞在は決まっていた。
ミラノまできて『最後の晩餐』を諦めるというのはやはり惜しい。
「これは最初から5000円なんだ。それ以下の価格はない」
と、無理やり思い込むことにして、泣く泣く旅行代理店に5000円を支払うこととあいなった。
(今にして思えば、やっぱり自らの電話予約でも問題なかったのかなと・・・。)
そして2月14日。
イタリア観光はじまりの朝。バレンタインデーのミラノの空は雲ひとつなく晴れ渡っていた。
予約できた『最後の晩餐』見学時刻はこの日の10:15~。
単なるシケた晩飯の風景なのかもしれないが、5000円もかけたのだ、意地でも堪能してやろうではないか。
青空にもつられ、意気揚揚とホテルを出た。
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