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宝永山~赤岩八合館 [はじめての富士登山]

 先ほどの難所はさすがにキツかったが、そこを越えて山頂までたどり着き、息を整えると、疲労はまったく感じなくなった。
 “クライマーズ・ハイ”なわけではもちろんないにしても、多少の興奮、達成感、恍惚感で疲労を自覚していないだけかもしれず、念のため馬の背で休憩。
 まぁしかし、やっぱり疲れてないもんは疲れてない。“一度座ったら動けなくなった”ということにもならないので、水分補給したりで5分ほど座っただけで、さっさと出発。御殿場ルートへの合流点を目指し、引き続きプリンスルートを行く。

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 皇太子が登ったとのことで、一般客にもさぞかし人気なのかと思いきや、わたし以外誰もいないこの“プリンスルート”、ノーブルな名とは裏腹に必要最低限の整備しかされていない、ひとり歩きには恐怖の登山道だった(前述の宝永火口からの登りのキツさも含めて)。
 ここまで上がってくると、もう草木は生えておらず、一歩でも足を踏み外して滑落でもしようものなら、受けて止めてくれるのは岩だけである。たぶん即死。
 宝永山山頂到着時は晴れていたのが急に雲がかかって視界が悪くなり、不安が増すなか、石に塗られた矢印を頼りに、一歩一歩足場を確かめながら、ゆっくり進む。
 膝がガクガクするのは、恐怖からか、やっぱり疲れが出ているのか。

 ただ、この恐怖の箇所はそれほど長くはなく、ほどなく御殿場ルートに合流。
 ただのビビリ症だったわたしの膝はもうガクつくこともなく、いいペースで登っていく。

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 何年か前に立山で到達して以来の3000m。体調の異変はなし。なんだ、大丈夫そうだ。
 調子にのって、そのまま黙々と登り続けているうちに、雲を抜けた。
DSCF6228.JPG

 これ以降はとくに書くこともないくらい、なにごともなく7合目を越え、じつにあっさり8合目手前、宿泊予定の赤岩八合館へ到着した。
 時刻は18時ちょっと過ぎ。ルート地図によく書かれている推定所要時間より1時間ばかりはやく着いてしまった。
 どうやらわたしは健脚だったらしい。
 毎日片道30分の自転車通勤が効いているのか。ま、台風が近くにあるとは思えないほど、風もない好天に恵まれたこともあるだろう。

 小屋の料金を先払し、荷物を寝床に置き、しばらく目前の雲海をぼーっと眺める。
 明日の朝、この影のてっぺんまで行く。
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