11日目のこと・3 ~ワルザザートでいろいろ困る~ [はじめての複数国周遊~モロッコ編~]
ワルザザート到着。
翌日のマラケシュ行きバスのチケットを買うため、ひとまずCTMターミナルへとむかう。
街は旧市街がないぶん、なんとなーく都会的で、相変わらず「コニチワー」攻勢はあるものの、応答してもしつこくつきまとってくるわけでもなく、そのまま挨拶だけで終わる。
砂漠ツアーや、アイト・ベン・ハッドゥ見学の呼び込みもありはしたが、これもあまりしつこくはなかった(すでに夕方だったせいもあるのかもしれない)。
バスチケットを買う前に、手持ちの現金が乏しいので、銀行のATMでキャッシング。
ところがこの機械の調子がよろしくなく、ボタンの反応が鈍い。
最終段階までなんとか進み、さぁあとは現金とカードが出てくるのを待つだけというところで、ついに機械が止まってしまった。
さぁどうする。係員を呼ぶか。しかし言葉がわからんぞ――と、嫌な汗をかきながら数十秒――カードだけが戻ってきた。現金は出てこない。
果たして、それまでの手続きはすべて無効になってくれているのかどうか。いつもの被害妄想&誇大妄想で、“実はこれはニセATMで、カードがスキミングされているのかも”という考えも頭をもたげる。
さぁどうする。係員を呼ぶか。しかし言葉がわからんぞ――ま、やっぱり係員を呼んでも余計な混乱を招くだけだろう。後でカード会社に連絡して使用状況を確認し、ダメならダメでその時対処すればいい。引き出そうとした金額も5000円程度だし、惜しくはあるが、生きていけなくなるほどのものでもない。半分あきらめたつもりで。
別の銀行のATMであらためてキャッシングし、CTMターミナルでマラケシュ行きのチケットを購入。昨日のホテルスタッフの話によると、“バスが動いていないかもしれない”とのことだったが、難なく運行しているらしい。
ちなみに、受付のオッサンとは片言の英会話でやりとり。それにしてもモロッコではどこへ行っても簡単な英語が通じるのだが、みな巻舌で、ラテン系が話す英語に近いように聞こえた。
続いて宿へ。
ガイドブックに載っていた三つ星ホテルへ行ってみる。予約していないが、まぁだいじょうぶだろう。過去2度の飛び込みでわかった。
Hôtel Palmeraie
部屋は空いていて、難なくチェックイン。
もひとつちなみに、レセプションの女性がものすごーくかわいかったのをここに著しておく。やっぱりモロッコは美人が多い。
コテージ風の客室棟が並び、プールもあったりして、全体は高級リゾートホテルの様相をしているが、わたしに与えられた部屋は日本円で4000円弱の、モロッコにおいては値段相応のもの。たださすがに三つ星だけあって、今回の旅の宿でいちばん設備が整っている部屋ではあった。
後に大通り沿いのスーパーで買ってみた。せっかくだからと、リゾートついでに。
またまたちなみに、部屋番号が奇しくも“214”だったのには、ニヤケずにはいられなかった。
さて、落ち着いたところで、キャッシングの件。カード会社に電話してみると、“日本時間では只今早朝のため、カード機能を止めることはできても、利用状況の確認はできない”とのこと。
ちっ、国際電話料金損した。
不安は残るが、ここでジタバタしてもしょうがない。また明日電話しよう。
気をとりなおして、街歩きに繰り出す。
タウリルトのカスバを撮影していると、それを近くでみていた子供にたかられてしまった。
こういうことは覚悟はしていたが、そういえばモロッコ入国以来はじめてだ。
いやしかし、覚悟していたとはいえ、いざとなるとかなり複雑な気分になる。
もちろん現金を渡すようなことはできないし、かわりに渡せるようなものだってない。飴ちゃんのひとつでも持ってりゃよかった。
「だめよだめよ」で振り切ろうとするが、どこまでもついてくる。
どんどん心苦しくなってくるが、なにをどうしていいかもわからないのが更に心苦しく、また情けない。
そうこうしながら数十メートルは歩いたか、そこで助け舟。道端のイスで、なにをするでもなくただ座っていたジイさんが、ぼそぼそっと。
「もうそのへんにしとけ」とでも言ってくれたのか、子供は退散してくれた。
ありがとう、ジイさん――いや、“ありがとう”というのもなんだか違うか。
とにかく複雑な気分だ。
“こうして観光して落とした金が、めぐりめぐってこの子供にまわってくる”
と、開き直ろうともしたが、それもやっぱり情けない。
で、また情けないことに、それでも腹は減る。
大通り沿いのレストランで、タジン。
もうついでだ、サラダも。
こうしてメシにありつけることを、アッラーに感謝しておこう。
翌日のマラケシュ行きバスのチケットを買うため、ひとまずCTMターミナルへとむかう。
街は旧市街がないぶん、なんとなーく都会的で、相変わらず「コニチワー」攻勢はあるものの、応答してもしつこくつきまとってくるわけでもなく、そのまま挨拶だけで終わる。
砂漠ツアーや、アイト・ベン・ハッドゥ見学の呼び込みもありはしたが、これもあまりしつこくはなかった(すでに夕方だったせいもあるのかもしれない)。
バスチケットを買う前に、手持ちの現金が乏しいので、銀行のATMでキャッシング。
ところがこの機械の調子がよろしくなく、ボタンの反応が鈍い。
最終段階までなんとか進み、さぁあとは現金とカードが出てくるのを待つだけというところで、ついに機械が止まってしまった。
さぁどうする。係員を呼ぶか。しかし言葉がわからんぞ――と、嫌な汗をかきながら数十秒――カードだけが戻ってきた。現金は出てこない。
果たして、それまでの手続きはすべて無効になってくれているのかどうか。いつもの被害妄想&誇大妄想で、“実はこれはニセATMで、カードがスキミングされているのかも”という考えも頭をもたげる。
さぁどうする。係員を呼ぶか。しかし言葉がわからんぞ――ま、やっぱり係員を呼んでも余計な混乱を招くだけだろう。後でカード会社に連絡して使用状況を確認し、ダメならダメでその時対処すればいい。引き出そうとした金額も5000円程度だし、惜しくはあるが、生きていけなくなるほどのものでもない。半分あきらめたつもりで。
別の銀行のATMであらためてキャッシングし、CTMターミナルでマラケシュ行きのチケットを購入。昨日のホテルスタッフの話によると、“バスが動いていないかもしれない”とのことだったが、難なく運行しているらしい。
ちなみに、受付のオッサンとは片言の英会話でやりとり。それにしてもモロッコではどこへ行っても簡単な英語が通じるのだが、みな巻舌で、ラテン系が話す英語に近いように聞こえた。
続いて宿へ。
ガイドブックに載っていた三つ星ホテルへ行ってみる。予約していないが、まぁだいじょうぶだろう。過去2度の飛び込みでわかった。
Hôtel Palmeraie
部屋は空いていて、難なくチェックイン。
もひとつちなみに、レセプションの女性がものすごーくかわいかったのをここに著しておく。やっぱりモロッコは美人が多い。
コテージ風の客室棟が並び、プールもあったりして、全体は高級リゾートホテルの様相をしているが、わたしに与えられた部屋は日本円で4000円弱の、モロッコにおいては値段相応のもの。たださすがに三つ星だけあって、今回の旅の宿でいちばん設備が整っている部屋ではあった。
後に大通り沿いのスーパーで買ってみた。せっかくだからと、リゾートついでに。
またまたちなみに、部屋番号が奇しくも“214”だったのには、ニヤケずにはいられなかった。
さて、落ち着いたところで、キャッシングの件。カード会社に電話してみると、“日本時間では只今早朝のため、カード機能を止めることはできても、利用状況の確認はできない”とのこと。
ちっ、国際電話料金損した。
不安は残るが、ここでジタバタしてもしょうがない。また明日電話しよう。
気をとりなおして、街歩きに繰り出す。
タウリルトのカスバを撮影していると、それを近くでみていた子供にたかられてしまった。
こういうことは覚悟はしていたが、そういえばモロッコ入国以来はじめてだ。
いやしかし、覚悟していたとはいえ、いざとなるとかなり複雑な気分になる。
もちろん現金を渡すようなことはできないし、かわりに渡せるようなものだってない。飴ちゃんのひとつでも持ってりゃよかった。
「だめよだめよ」で振り切ろうとするが、どこまでもついてくる。
どんどん心苦しくなってくるが、なにをどうしていいかもわからないのが更に心苦しく、また情けない。
そうこうしながら数十メートルは歩いたか、そこで助け舟。道端のイスで、なにをするでもなくただ座っていたジイさんが、ぼそぼそっと。
「もうそのへんにしとけ」とでも言ってくれたのか、子供は退散してくれた。
ありがとう、ジイさん――いや、“ありがとう”というのもなんだか違うか。
とにかく複雑な気分だ。
“こうして観光して落とした金が、めぐりめぐってこの子供にまわってくる”
と、開き直ろうともしたが、それもやっぱり情けない。
で、また情けないことに、それでも腹は減る。
大通り沿いのレストランで、タジン。
もうついでだ、サラダも。
こうしてメシにありつけることを、アッラーに感謝しておこう。
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