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7日目のこと・2 ~モロッコ入国~ [はじめての複数国周遊~モロッコ編~]

 出港後まもなく、船内でモロッコへの入国手続きが始まり、窓口に行列ができてきた。
 わたしもはじめは何事かと思ったのだが、“船内で入国手続きをする”というのは事前に知っていたため、“あぁ、このことか”と、行列に加わった(ちなみにこれを逃すと、当然のことながら後で面倒なことになる。おそらく入国手続きしていなかったのであろう欧米人数人が、下船時に足止めをくらっていた。彼らがその後どうなったのかは知る由もない)。
 窓口ではほんとうにちゃんとしたチェックが行われているのか、じゃんじゃん行列が短くなっていき、たいして待ちもせずわたしの順番になり、やはりわたしのパスポートもろくなチェックもされずに、ポンとスタンプが捺された。
 はい、これで形式上はモロッコ入国でございます。

 入国手続きが締め切られると、船はぐいぐいスピードを上げ、また完全に外海に出たということもあるのか、席を立って歩けないほど猛烈に揺れ始めた。
 なんだ、地中海ってこんなに荒れるものなのか。天気は悪くないのだが。それとも、これがこの高速船の常なのか。
 とにかく、“船でアフリカに行く”という情緒を感じられないまま、1時間半弱の乗船。“これなら、なんとかしてフェリーに乗っておくべきだった”という後悔をしながらも、いよいよモロッコ・タンジェへ、アフリカへと上陸を果たした。
20090208155951.jpg
 ターミナルを出て最初に目にした景色は、なんてことのないフツーの港のものであり、ついにアフリカへやってきたという感慨は起こらないが、そびえ立つミナレットに、アフリカに来たというより、イスラム国に来たという実感が湧き、それなりに先程の後悔も薄れる。
 が、それと同時に、途方もない不安感も湧いてきた。この極小の心臓を持ったわたしが、日本からとんでもなく離れた地までやってきて、それでいて4日先に予約してある砂漠のほとりの宿まで、どうするかなにも決まってない。ガイドブックの情報はごくごく限られており、ほとんどのことは現地で調べて、交渉しなければならないというのは、もう途方にくれるしかない。
 しかしハプニングでこうなったわけではない。自分で選んだ道である。予定がないのが予定どおりなのである。しょうがない。
 ま、とにかく、ここで野垂れ死にするわけにもいかないので、とりあえず市街に出て交通手段の確認をし、移動するか1泊するか決めよう。
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taka_england

昔アルヘシラスに宿を取って、日帰りでジブラルタルやタンジェに行きました。
フェリーがタンジェに着いて、客引きとタクシーの多さにびっくりした記憶が。
やっぱりモロッコの客引きはしつこかった。
by taka_england (2010-05-23 20:57) 

homerun

 後にも書いていくことになりますが、他都市に比べてタンジェの客引きは量も多く、しつこさも強めでした。これでも以前に比べて客引きも減ったそうで。
by homerun (2010-05-23 22:30) 

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