2010年 2月20日 [きょうの敬遠]
てへ、間違えて現東京タワー来ちった――
――わけではなく、ま、通り道だったもので。
30歳も過ぎると収入もそれなりのものになっているのが一般的であり、学生時代の友人達も例に漏れないわけだが、わたしは年齢だけしか上がってないという悲しい現実の中、その友人達と会うことになった。
品川のタイ料理屋で。
そんな土地代だけで値段が何割か増しされているであろう所でなくても、べつにそのへんのファミレスでもいいではないか――とは言えず、諾々と従ったのは、30歳過ぎてケチくさいことは言えないという微かなプライドのなせるわざ。
ただ、それとは別のプライド――貧乏人のプライドがわたしを走らせた。
自転車で。
東京であって東京でない、葛飾にある我が家から、想定では2時間。
ぃようし、やってやろうではないか。
とりあえず日本橋まで出て、そこから第一京浜をまっすぐいけば、そのまま品川に着くわけだが、せっかくの機会、それではつまらないし、車通りと人通りを避けるためにも、大通りを避けてJR線の東側を行ってみた。
ところがこれが大誤算。
運河やら倉庫やら団地やらに阻まれ、道はいたるところで袋小路。行きつ戻りつ迷いながら、先程まで見えていたJR線からあれよあれよと離れて行く。
これはあるいは人間の、動物としての回帰本能なのかもしれない。
潮の香りに導かれるように。
海にいた。
いつのまにやら芝浦埠頭。
海風にあたりながらフッとニヒルに笑ってみたが、ハタから見たら気持ち悪いだけであろうことは想像に難くない。
ちなみに、タイ料理。なかなか美味かったです。そんなに高くもなかったし。
コメント 0