ウィーン・リング・アンサンブル ニューイヤー・コンサート 2010 [感想文]
KAJIMOTO | コンサート | ウィーン・リング・アンサンブルニューイヤー・コンサート
えぇ、まぁ、こういうことだったんですね。わたしには場違い極まりない、サントリーホールまで行ってきましたよ。
小編成なぶん、少し物足りなく思うのではないかと憂慮していたが、それはまったくの杞憂に終わった。
確かな技術と巧みな編曲によるものか、オーケストラによるオリジナル曲を忘れてしまいそうなほどで。
むしろこの小編成の軽やかさは、大編成の演奏よりもウィンナワルツに合うのではないか。
まさにこのアンサンブルの為に作曲されたのではないかとも思える『ウィーン気質』の冒頭部。別世界に吸い込まれそうなヴァイオリンの音色に、気が遠くなった。
また、指揮者の色がつかないおかげで、この演奏にウィーンフィルの真髄が表れているようで、そう思うと感慨もひとしおである。
ちなみにアンコールでは、例によって『美しき青きドナウ』と『ラデツキー行進曲』が演奏され、『ラデツキー』では例によって例のごとく観客の手拍子が起こったわけだが、『ドナウ』ではあのフライング拍手は起こらず。さすがにアレを率先してやろうとする客は、日本人にはいないのだろう。もちろん、わたしにもそんな勇気はない。
他会場ではアレがおこなわれたのか、過去の演奏でおこなわれたことがあるのか、メンバーは演奏を止める覚悟と新年の挨拶の準備はしているのか、気になるところではあるが、まぁいいや。
S席9000円。普通の小編成の演奏会であれば、この値段は考えものだが、ウィーンフィルのエッセンスが凝縮されたこのアンサンブルである。もうじゅうぶん納得。
いやだって、ウィーンフィルのコンサートは、日本じゃ9000円で聴けないしね。
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