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3日目のこと・4 ~カーニバルの昼~ [はじめてのイタリア~ひとりでぇできたぁ~]

 カフェ・フローリアンでカフェ・ラテを飲んだことで、いよいよ目的をなくしたわたしは、ヴェネツィアをさまよい歩くことに専念する。

 とりあえずは各所に見え隠れする教会を目印に。

 アカデミア橋を渡り、

 悔しさを通り越して呆れるほど絵になるイタリア人カップルの後をつけるように、ジュデッカ運河沿いを歩き、

 サンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会を訪れてみたり。

 また繁華な場所に戻り、昨夜とは景色が一変したリアルト橋の姿を目にする。

 サン・マルコ広場に戻ってみると、


 ますます人出も多くなっている。

 鐘楼にのぼって、街を見下ろすと、

 やはりサン・マルコ広場はわたしが知る景色ではなく、それはカーニバルのものだった。

 突然始まった劇に(もちろん内容はまったく理解できないが)、ますますカーニバルムードが煽られる。

 

 ここはチップの稼ぎ時とばかりに、レイヤー達も大集合。

 しかし大人達の思惑などは超越して、

 外国のかわいい子供は徹底的に、反則的にかわいく、それは正常な神経の持ち主でも発狂しそうなまでに・・・。

 

 そんなカーニバルのヴェネツィアに、

 響き渡るはカンツォーネ。


 ゆるやかに進むゴンドラ、さざめく水面に、


 

 ふと、ため息がもれる。

 旧くは裁判所と監獄をつないでいたというこの橋。
 誰が名づけたのか、

 “Ponte dei Sospiri”

 日本語で“嘆きの橋”。
 記述によっては気の利いた訳もされていて、それは奇しくも、

 “ため息橋”。

 時間は午後3時をまわっていた。
 次の目的地、フィレンツェ行きの列車は16:32発。
 もうそろそろ発たなければならない。

 囚人はこの橋からみえる街の景色に、
 わたしはこの橋をみながら、

 ヴェネツィアとの別れを惜しみ、ため息をついていた。


 夕闇せまる水の都に再訪を誓い、駅へとむかった。


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コメント 6

おちあい

素晴らしい!!!

是非、行ってみていものです!


.
by おちあい (2007-05-19 10:50) 

homerun

 ほんと素晴らしかったですよ。
 イタリアの他の都市は、みるものみたらそれで満足できましたが、ベネチアだけはもう一度行きたいと思いますね。
by homerun (2007-05-19 20:55) 

A

いやー、ディズニーシーのような(笑)ため息でますね。
by A (2007-05-19 21:55) 

homerun

 もうこうなったら行くしかないね、ディズニーシー。
 そして「ベネチアのよう」と言ってやる。
by homerun (2007-05-20 02:08) 

A

あ、行ったことないんでしたっけ?
いいですよぉ。
by A (2007-05-21 01:45) 

homerun

 あ、ベネチア行ったことないんでしたっけ?
 いいですよぉ。
 ケケケ・・・。
by homerun (2007-05-21 22:55) 

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