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2日目のこと・1 ~トラムに乗ってみる~ [はじめての複数国周遊~ウィーン編~]

 7:30起床。地上階に併設されているカフェレストランで朝食。ビュッフェ形式。パン、ハム、チーズ、ソーセージ、スクランブルエッグ等々、ヨーロッパのビュッフェ朝食では珍しくもなんともない、よくある品揃えである。
 そして、さすがホテル“ドナウワルツァー”。シュトラウスのウィンナワルツがBGMで延々と流れている。そんななか、冬のウィーンの重たい曇り空を窓の外に眺めながら、コーヒーをすする。観光地にある“顔ハメ”に嵌って写真を撮られているような、なんだか薄っぺらい風景ではあるが、開き直って浸ってしまえば、案外悪くない。

 空は曇っているが、テレビの天気予報を見るかぎり、雨は降らないようである。主に美術館巡りをするつもりなので、雨が降ろうがさして影響はないのだが、これなら存分に街歩きもできる。
 本日のメインイベントに据えているのは美術史美術館。雨が降らないのであれば、いったん市立公園に行って有名なヨハン・シュトラウス像を拝み、そこからは徒歩で途中にある美術館をこなしつつ、美術史美術館へたどり着く、というプランでいってみることにしよう。

 さて、市立公園までの道のりであるが、昨晩は短時間ながら散々乗ったので、また地下鉄というのもつまらない。そこで、街並みを眺めつつ移動できるトラムを利用してみることに。幸いホテルの目の前に停留所もある。詳しい行き先や、他にどんな路線があるのかはよくわからないが、手持ちの地図の道にはトラムが通るラインも描かれているので、目の前の路線がどのあたりを通っていくのか、おおよその見当はつく。
 ちなみにウィーンの見所のほとんどは、リングと呼ばれる環状道路の内側とその周辺にあるのだが(東京の山手線や環7と違い、半径1kmにも満たない規模なので、徒歩でもじゅうぶんまわれる)、目の前のトラムは、どうやらそのリングも通るようである。また、目指す市立公園はリング沿いにあり、都合のいいことにリングを周回している路線もあるそうなので、それに乗ってしまえば目的地にたどり着くことができるだろう。

 ホテルを出て目の前にある停留所に立つと、待つ間もなくトラムが到着。乗り込む。
 トラムは地図に描かれた路線どおり進み、やがてリング上にある、トラムのターミナルにもなっているショッテントーア(Schottentor)に到着。
 ガイドブックによると、トラムの路線番号“1”がリングを時計回りに、“2”がその逆回りに走っているとのことで、ショッテントーアからはドナウ運河沿いを走ることになる1番に乗り換えた。

 トラムはゆっくりと北東に進み、突き当たりを右折。ドナウ運河沿いを走る。水面は美しく青い――のかどうかは、あいだに緑地帯と自動車用道路を挟んでいるため、よく見えずわからない。ま、べつにドナウ川本流とは違うので、どうでもいいっちゃどうでもいい。
 運河沿いをさらに直進。そろそろこの辺で右折かと思ったら――あれ?――まだ直進を続け、道はどんどん細くなっていく。ついには鉄道の高架下を通過。地図をどう見ても、リング上に鉄道線など架かっていない。さらにはドナウ運河まで渡ってしまった。こいつは明らかにリングから外れている。

 ――あぁ、どうしよう。どうなってんだ、こりゃ。
 オロオロしているうちに、トラムは大きな公園に入っていき、公園内の停留所に停車。わたし以外の客はすべて降りてしまった。そしてトラムは発車しない。

 地図を確認してみると、どうやらわたしは現在、プラター(Prater)にいるらしいが――


Prater



 ――ここは終点ということか? トラム1番はリングを周回してるんじゃないの?

 山手線のような純粋な周回路線はすでに廃止されていて、現在は都営大江戸線のような形態になっているのか、もしくは周回路線は存続しているものの支線行きも設定されていて、今回たまたまそれに乗ってしまっただけなのか。よくわからない。やはりガイドブックは最新版を持っておくべきだと、ここでも後悔

 どうせここまで来てしまったのなら、わりと近いし、ドナウ川まで行ってしまおうかとも思ったが、時間ももったいないのであっさり却下した。

 運転手は交代することなく、運転席に座ったまま。明らかに言葉が通じなさそうな東洋人を相手にするのは面倒だったのだろうか、降りずに車内でオロオロしているわたしに何か訊いてくることはない(ウィーンカードを持っているので、乗車券やらに関しては問題ない)。
 10分程のちトラムは出発し、折り返しもと来た道を進む。リングに戻ったところで再び時計回りに進むのかと思いきや、またドナウ川沿いの道に入ってしまったため、すぐ次の停留所でトラムを降りた。目的の市立公園まで1kmもないし、もういいや、ここから歩こう。
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