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初日のこと・4 ~楽友協会へ~ [はじめての複数国周遊~ウィーン編~]

 とにかくビビりまくって、日暮れ頃にはホテルに引っ込んでいた初ヨーロッパ旅行、パリ初日のわたし。こうして夜9時を過ぎてなお、出かけようとする己の姿など想像もつかなかった。ヨーロッパ旅行は3回目を数え、さらに三十路をむかえておいて、慣れないほうがおかしいのであるが。
 とはいえ、出かけるといっても、これから盛り場で一杯ひっかけるとかするわけではない(そもそも酒が飲めないのだから行きたいとも思わない)。出発前の記事オチをつけるため、楽友協会ホールを撮影しに行くだけなのだ。なにをビビる必要がある――と、自分にいいきかせ、部屋を出る。

 と、ホテルを出るその前に、レセプションでウィーンカードを購入。ウィーン滞在中に行くことになるであろう施設やらを考えると、買っておいて損はないと判断した。利用期限が日付け区切りで3日間ではなく、“最初の利用から72時間”という時間区切りなのも、発着時間がまちまちな外国人観光客には使い勝手がいい(本来なら空港や鉄道駅の観光案内所で買って、それでホテルまで行くのがいちばんお得なわけだが、到着が遅かったためどこも閉まっていた)。

 ホテルを出て、再びUバーン駅。
 さっそく楽友協会へ――と、いきたいところだが、せっかく外に出るのだから、ただ目的地まで行って帰ってくるのもつまらない。そこで、ホテルからみれば手前になるシュテファン寺院で下車。そこからウィーンいち賑やかなショッピング街だというケルントナー通りを流しながら、ホールまで歩く。

 ふーん、“ウィーンいち賑やか”ねぇ・・・。

 “音楽の都”にふさわしく、どこからかヴァイオリンの音が聞こえてきて・・・ということはまったくない。
 すでに夜9時をすぎいて、どの店もシャッターをおろしており、人通りが少ない。かといって、まったく人がいないというわけでもなく、仕事帰りのビジネスマンと思しきスーツ姿の人もかなりの数を見かけるので、旅人の心をくすぐるようなうら寂しい雰囲気はない。並ぶショーウインドウに“賑やか”の残滓をなんとなく感じ取れるが、それよりなにより2月のウィーンはもうれつに寒くて、感傷に浸る余裕ももてない。さらに追い討ちをかけるように、ぽつぽつと雨が降ってきやがった。

 まぁいいや、明日また、もう少し早い時間に来よう。

 途中、雨宿りがてらマクドナルドに入って、遅い晩飯にしたあと、通りをさらに南下。オペラ座を抜け、たどり着いた、あこがれの楽友教会ホール。

楽友協会ホール


20090202223110.jpg
 時間は23時に迫ろうとしていた。ちゃっちゃと撮影して、近くのカールスプラッツ駅に退散。Uバーンを2号線から4号線、6号線へと乗り継ぎ、今度は景色を変えるべく、ホテル最寄からはひとつ手前の駅で降りてみた(ホテルまでの距離はたいしてかわらない)。
 そうしたら、さすがは2月のウィーンである。
 男の冬のひとり旅。一日の締めくくりとしては、なかなか様になる風景ではなかろうか。

 雨は夜更けすぎに、雪へと変わっていた。
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