初日のこと・2 ~空港から市内までのこと~ [はじめての複数国周遊~ウィーン編~]
いやまぁべつに、ドイツ語を勉強したといっても、「ぐーてんたーく」とか、「だんけしぇーん」とか、もともと誰でも知っているような挨拶を再確認しただけのことで、とつぜんベラベラと喋れるようになったわけではもちろんなく、不安は消えないまま、19:30、パスポートコントロールを通過。あれよあれよとウィーンに放り出されてしまった。だいじょうぶか、おれ。
とはいえ、ここで不安に押しつぶされようが、泣こうが喚こうが、なんにしろホテルまで行かなければどうにもならない。そしてホテルへ行くには、ひとまず市内まで出なければ話にならない。
空港から市内までの交通手段は、主にタクシー、リムジンバス、Sバーンと呼ばれるオーストリア国鉄の在来線近郊列車の3つ――と、わたしが持つ2001年版のガイドブックには載っていたが、渡航前に書店で最新版を立ち読みしたところ、Sバーンとは別に、空港と市内を直通で結ぶシティ・エアポート・トレイン(CAT)という路線が最近開通して、運行されているらしい。ま、これは料金が高いそうなので、わたしには用なし。とうぜん使うのは、いちばん安上がりなSバーンである。
空港内を、鉄道マークの方向指示どおり地下へと進むと、まず先にCATの入り口がある。
Sバーンもここでいいのか、それとも別に乗り場があるのか。
いちいちこういうことで不安にかられてしまう。やはりガイドブックは、ケチらず最新版を買っておくべきだったと後悔しながらも、Sバーンのマークと方向指示も見えるし、まぁだいじょうぶだろうと自分に言い聞かせ、指示どおりに奥へと進む。
すると、通路は狭く、暗く、汚くなっていく。
不安だ。
通路にはわたしひとりというわけでもなく、トランクをひきずりながら同方向に歩いている人も少なからずいるので、Sバーンがこの先にあるのは間違いないはずだが、それよりも今度は、この雰囲気の悪さにビビりはじめる。
さらに奥へと進むと券売機があったので、ウィーン市内までの区間のキップを購入し、そのキップをそばにある刻印機に入れる。
そこからまた階段を降りていき、ようやくホームにたどり着いた。
さて、このSバーンの空港駅は始発駅ではないのだが、これがまた追い討ちをかけるようにわたしの不安感を増幅させる。左右どちらの方向の列車に乗ればいいのかわからないのだ。
わたしが目指す駅はウィーン・ミッテというターミナル駅。ここで地下鉄(Uバーン)に乗り換え、ホテル最寄駅に向かう予定でいたのだが、はたしてたどりつけるのか。
なにか手がかりはないかと、ホーム設置の時刻表と路線図を凝視してみる。
なにやらドイツ語の構内アナウンスが流れているが、「ぐーてんたーく」と「だんけしぇーん」しか知らないわたしには理解できようはずもない。
あぁ困った。どうしよう。おれ死んじゃうんだ。あぁ死んじゃうんだ。
そうこうしているうちに列車がホームにすべりこんできた。行き先表示を見ると――あぁおれもう少し生きれる――“Wien Nord”(ウィーン北駅)の文字が。路線図をみるかぎり、わたしの目指すウィーン・ミッテ駅は空港駅から行くとウィーン北駅のひとつ手前である。
どうやらこれに乗ってしまってよさそうだ。仮にミッテ駅に行かないのだとしても、終点北駅もUバーンに連絡しているし、路頭に迷って野垂れ死ぬなんてことには、まずならないだろう。いやー、わかりやすい行き先でよかった。
なんとなーく、少しは不安が解消したような気がしながら、列車に乗り込んだ。
いよいよウィーン市内にむかう。
とはいえ、ここで不安に押しつぶされようが、泣こうが喚こうが、なんにしろホテルまで行かなければどうにもならない。そしてホテルへ行くには、ひとまず市内まで出なければ話にならない。
空港から市内までの交通手段は、主にタクシー、リムジンバス、Sバーンと呼ばれるオーストリア国鉄の在来線近郊列車の3つ――と、わたしが持つ2001年版のガイドブックには載っていたが、渡航前に書店で最新版を立ち読みしたところ、Sバーンとは別に、空港と市内を直通で結ぶシティ・エアポート・トレイン(CAT)という路線が最近開通して、運行されているらしい。ま、これは料金が高いそうなので、わたしには用なし。とうぜん使うのは、いちばん安上がりなSバーンである。
空港内を、鉄道マークの方向指示どおり地下へと進むと、まず先にCATの入り口がある。
Sバーンもここでいいのか、それとも別に乗り場があるのか。
いちいちこういうことで不安にかられてしまう。やはりガイドブックは、ケチらず最新版を買っておくべきだったと後悔しながらも、Sバーンのマークと方向指示も見えるし、まぁだいじょうぶだろうと自分に言い聞かせ、指示どおりに奥へと進む。
すると、通路は狭く、暗く、汚くなっていく。
不安だ。
通路にはわたしひとりというわけでもなく、トランクをひきずりながら同方向に歩いている人も少なからずいるので、Sバーンがこの先にあるのは間違いないはずだが、それよりも今度は、この雰囲気の悪さにビビりはじめる。
さらに奥へと進むと券売機があったので、ウィーン市内までの区間のキップを購入し、そのキップをそばにある刻印機に入れる。
そこからまた階段を降りていき、ようやくホームにたどり着いた。
さて、このSバーンの空港駅は始発駅ではないのだが、これがまた追い討ちをかけるようにわたしの不安感を増幅させる。左右どちらの方向の列車に乗ればいいのかわからないのだ。
わたしが目指す駅はウィーン・ミッテというターミナル駅。ここで地下鉄(Uバーン)に乗り換え、ホテル最寄駅に向かう予定でいたのだが、はたしてたどりつけるのか。
なにか手がかりはないかと、ホーム設置の時刻表と路線図を凝視してみる。
なにやらドイツ語の構内アナウンスが流れているが、「ぐーてんたーく」と「だんけしぇーん」しか知らないわたしには理解できようはずもない。
あぁ困った。どうしよう。おれ死んじゃうんだ。あぁ死んじゃうんだ。
そうこうしているうちに列車がホームにすべりこんできた。行き先表示を見ると――あぁおれもう少し生きれる――“Wien Nord”(ウィーン北駅)の文字が。路線図をみるかぎり、わたしの目指すウィーン・ミッテ駅は空港駅から行くとウィーン北駅のひとつ手前である。
どうやらこれに乗ってしまってよさそうだ。仮にミッテ駅に行かないのだとしても、終点北駅もUバーンに連絡しているし、路頭に迷って野垂れ死ぬなんてことには、まずならないだろう。いやー、わかりやすい行き先でよかった。
なんとなーく、少しは不安が解消したような気がしながら、列車に乗り込んだ。
いよいよウィーン市内にむかう。
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