出発までのこと~旅の動機と計画~5 [はじめての複数国周遊~準備編~]
ジュネーヴといえば――
「多くの国際・国連機関がある」
――なんていう、野暮な答えは誰も期待しないであろう。
ジュネーヴといえば――誰がなんといおうと、レマン湖である。日本男児あこがれのレマン湖である。
いわば生命の源。
生まれた場所への回帰願望。
これも輪廻思想というべきか。
とにかく、男は目指すのである。レマン湖を。
それでもって、アトラスブルーのマラケシュ~ジュネーヴ線の発見である。卒倒しそうになった。わたしみたいなバカな日本人向けに開設された路線なのではないかとすら思える。
それでこの路線を詳しくみてみたら、毎日ではなく、週3、4便の運航であったのだが、奇しくも、もののみごとにマラケシュ→ジュネーヴ便が2月14日に設定されている。
“マラケシュからレマン湖”。
まるで生命の奔流に身をゆだねるような。
未来へと伸びるベクトルと、生命の源へと回帰する過去へのベクトルという、アンビバレンツなものの融合。これぞまさに絶対矛盾的自己同一――なんてことを、西田幾多郎はけっしていいたかったわけではないだろうが、まぁいいや。
そんな仏教的気分を含んだ行程を、あえてキリスト教的“愛”の日にぶつけてやる。いやはや、なんとも壮大な計画ではないか。
旅の最大の目的はプラド美術館とトレドに行くことであるが、“2月14日をどう過ごすか”も、重要なテーマのひとつであった。
当初は砂漠で過ごすつもりでいて、それはそれでなかなかいいとは思うが、“マラケシュから直接レマン湖に行く”というインパクトはすべてを凌駕する(ま、どういおうが、シモはシモなんだが)。
決めた。
ジュネーヴ着が20:00と、けっこう遅めではあるが、スイスの治安の良さなら心配はないだろう。
価格は70ユーロで、パリ線の29ユーロと比べるとどうかとも思ってしまうが、それでもこの距離を考えればじゅうぶん安い。いや、この際、価格はどうでもいい。日本男児たるもの、この路線に乗らなければいけないのだ。義務である。パリ再訪は、また諦めることにする。
“2月14日にマラケシュからレマン湖に行く”
核になる行程の日時がひとつ確定した。
こうなると話ははやい。ほかの行程、日程も決めやすくなり、ぼんやりとしていた旅の輪郭が形をなしていく。
それでまず決まったのが、日本~ヨーロッパ間で利用する航空会社である。
ジュネーヴに行くということで、いちどは捨てたスイスインターナショナルが再浮上。オーストリア航空と天秤にかけてみる。
最初の目的地ウィーンまでは、さすがにオーストリア航空の直行便にくらべれば時間はかかるが、チューリッヒでたいした待ち時間もなく一度乗り継ぐだけなので、到着が深夜になるということはない。
復路は、ジュネーヴからそのまま帰国するにしても、予定日である2月15日は日曜日。ヨーロッパの航空会社はどこも日曜日の便は料金が5、6千円高く設定されているため、もう1泊して観光するのも、出費額にたいした差は出ない。それなら、あこがれのスイス鉄道でスイス国内を縦横断し、チューリッヒから直行便で帰国というプランがたてられる。いや、これはかなりいいのではないか。
というわけで、スイスインターナショナル利用決定。帰国便は2月16日。往きは、各国のガイドブックと、利用することになるであろう交通機関のホームページで運行(運航)スケジュールを確認しながら、ウィーンからマラケシュまでに要する時間を計算し、2月2日と定めた。
さぁここで、利用予定の航空会社3社の利用予定便を再確認。
スイスインターナショナル、エアベルリン、アトラスブルー、すべての利用予定便に残席あり。
はたしてこれらが人気路線なのかどうかはわからないが、ここで躊躇する意味は、その大きな金額以外にない。放っておいて売り切れでもしたら、すべての計画がおじゃんになってしまう。
さっそく購入してしまおう。
まずは肝心要のヨーロッパ往復便、スイスインターナショナルでの購入。
燃油サーチャージが値下がりしたとはいえ、諸経費含めたらけっきょく10万円を超える買い物である。クレジットカード番号を入力する手も震えるが、ためらっても始まらない。
はい、購入。
続いてエアベルリン。英語画面にどきどきしながらも、翻訳サイトを駆使しつつ、つつがなく予約、購入完了。
そしてアトラスブルー。ここも勢いで、さっさと購入完了――と、いきたかったところだが・・・。
「多くの国際・国連機関がある」
――なんていう、野暮な答えは誰も期待しないであろう。
ジュネーヴといえば――誰がなんといおうと、レマン湖である。日本男児あこがれのレマン湖である。
いわば生命の源。
生まれた場所への回帰願望。
これも輪廻思想というべきか。
とにかく、男は目指すのである。レマン湖を。
それでもって、アトラスブルーのマラケシュ~ジュネーヴ線の発見である。卒倒しそうになった。わたしみたいなバカな日本人向けに開設された路線なのではないかとすら思える。
それでこの路線を詳しくみてみたら、毎日ではなく、週3、4便の運航であったのだが、奇しくも、もののみごとにマラケシュ→ジュネーヴ便が2月14日に設定されている。
“マラケシュからレマン湖”。
まるで生命の奔流に身をゆだねるような。
未来へと伸びるベクトルと、生命の源へと回帰する過去へのベクトルという、アンビバレンツなものの融合。これぞまさに絶対矛盾的自己同一――なんてことを、西田幾多郎はけっしていいたかったわけではないだろうが、まぁいいや。
そんな仏教的気分を含んだ行程を、あえてキリスト教的“愛”の日にぶつけてやる。いやはや、なんとも壮大な計画ではないか。
旅の最大の目的はプラド美術館とトレドに行くことであるが、“2月14日をどう過ごすか”も、重要なテーマのひとつであった。
当初は砂漠で過ごすつもりでいて、それはそれでなかなかいいとは思うが、“マラケシュから直接レマン湖に行く”というインパクトはすべてを凌駕する(ま、どういおうが、シモはシモなんだが)。
決めた。
ジュネーヴ着が20:00と、けっこう遅めではあるが、スイスの治安の良さなら心配はないだろう。
価格は70ユーロで、パリ線の29ユーロと比べるとどうかとも思ってしまうが、それでもこの距離を考えればじゅうぶん安い。いや、この際、価格はどうでもいい。日本男児たるもの、この路線に乗らなければいけないのだ。義務である。パリ再訪は、また諦めることにする。
“2月14日にマラケシュからレマン湖に行く”
核になる行程の日時がひとつ確定した。
こうなると話ははやい。ほかの行程、日程も決めやすくなり、ぼんやりとしていた旅の輪郭が形をなしていく。
それでまず決まったのが、日本~ヨーロッパ間で利用する航空会社である。
ジュネーヴに行くということで、いちどは捨てたスイスインターナショナルが再浮上。オーストリア航空と天秤にかけてみる。
最初の目的地ウィーンまでは、さすがにオーストリア航空の直行便にくらべれば時間はかかるが、チューリッヒでたいした待ち時間もなく一度乗り継ぐだけなので、到着が深夜になるということはない。
復路は、ジュネーヴからそのまま帰国するにしても、予定日である2月15日は日曜日。ヨーロッパの航空会社はどこも日曜日の便は料金が5、6千円高く設定されているため、もう1泊して観光するのも、出費額にたいした差は出ない。それなら、あこがれのスイス鉄道でスイス国内を縦横断し、チューリッヒから直行便で帰国というプランがたてられる。いや、これはかなりいいのではないか。
というわけで、スイスインターナショナル利用決定。帰国便は2月16日。往きは、各国のガイドブックと、利用することになるであろう交通機関のホームページで運行(運航)スケジュールを確認しながら、ウィーンからマラケシュまでに要する時間を計算し、2月2日と定めた。
さぁここで、利用予定の航空会社3社の利用予定便を再確認。
スイスインターナショナル、エアベルリン、アトラスブルー、すべての利用予定便に残席あり。
はたしてこれらが人気路線なのかどうかはわからないが、ここで躊躇する意味は、その大きな金額以外にない。放っておいて売り切れでもしたら、すべての計画がおじゃんになってしまう。
さっそく購入してしまおう。
まずは肝心要のヨーロッパ往復便、スイスインターナショナルでの購入。
燃油サーチャージが値下がりしたとはいえ、諸経費含めたらけっきょく10万円を超える買い物である。クレジットカード番号を入力する手も震えるが、ためらっても始まらない。
はい、購入。
続いてエアベルリン。英語画面にどきどきしながらも、翻訳サイトを駆使しつつ、つつがなく予約、購入完了。
そしてアトラスブルー。ここも勢いで、さっさと購入完了――と、いきたかったところだが・・・。
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