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8日目のこと・5 ~リベンジ! モダンアート~ [はじめてのイタリア~ひとりでぇできたぁ~]

 予約を済ましてボルゲーゼ美術館を出たのが15時30分頃。
 じつは8時の朝食以来、何も口にしていない。
 ヴァチカン美術館内のレストランで食事でもと思っていたのだが、結局時間が足りず断念。
 ヴァチカン市国周辺を散策していたときも、同時に適当なメシ屋を探していたのだが、結局見つからないままボルゲーゼ公園まで来てしまい、来たら来たで公園内のカフェやレストランは閉まっているか、値段が高いで、こちらもやはり断念。
 膝は痛いの、腹が減って体力は限界だので、もうへとへとなのだが、体力は限界どころではなく、それをも超えてしまい、思考もある一線を越えてしまった。
 もうヤケクソだった。同じボルゲーゼ公園内にある国立近代美術館に、フラフラの足を運ぶことにした。
 “近代美術館”でいい目にあったためしなどないのに、それを思い出せないほど、思考能力が低下していたということか・・・。

 同じ公園内とはいえ、その敷地面積がバカでかいため、とてもじゃないがボルゲーゼ美術館と隣り合っているとはいえず、20分は歩いたか、ようやく近代美術館にたどり着き、イタリアが有する近・現代美術の数々を観賞した――

 ――すいません、やっぱりおれにはついていけません。

 思考能力の低下した現在の己の脳には、逆に現代美術がしっくりくるかもしれないと淡い期待を抱いたのだが、むしろ混乱が増しただけだった。

 心身ともにぐったりして、もう歩く気は欠片も残っていなかったわたしは、美術館の目の前にあったバス停から行き先もわからないままバスに乗った。バス停にあった路線図には地下鉄駅を示す“M”のマークも見えたから、まぁだいじょうぶだろうとたかをくくっていたのだが、大勢の客が下車するバス停で一緒に降りたら、案の定地下鉄駅があった。
 いやー、買っててよかった1日券。
 テルミニに戻ったのが18時。フィレンツェから利用しつづけているセルフサービスのレストランで、10時間ぶりの食事をとる。
 これでちょっとは体力が回復したが、思考は錯乱したままで、さっさとホテルにかえればいいものを、何を血迷ったか、まだ時間はあるしせっかくだからとまたおでかけ。

 夜のスペイン広場。

 日中ほどではないが、まだ人出は多い。しかし雨に濡れているせいか、階段に座っているひとは少ない。

 さらに重度の貧乏性の本領発揮。せっかくだからみられるものはみてやろうと――、

 ――夜のヴァチカンを眺める。

 ちょっとは体力が回復したと思ったのは錯覚だったようで、ここでついに動けなくなった。足が前に出ず、地下鉄駅までたどり着けそうもない。
 幸いにもサンピエトロ大聖堂の横からテルミニ行き急行バスが出ていたため、迷わず転がり込む。
 この際テルミニじゃなくてもいい。もうどこにでも運んでくれ、と。

 先ほどボルゲーゼから乗った路線とはうってかわって、ローマのど真ん中を走るこの路線は道のほとんどが石畳で、サスペンションなど装備してないのではないか、いやタイヤがホイールだけなのではないか、と思えるほどの振動が肛門と尾てい骨を突き上げ、軋む車体が甚だしい騒音を奏でる。
 そんななか、わたしの前の席に座るイタリア娘が平然と携帯電話で通話していた。
 イタリアにおける携帯電話のマナーだとか、日本のギャルとの比較だとかを考察する以前に、なんだか呆気にとられてしまい、そのうちにテルミニに到着してしまった。
 マクドナルドで軽く食った後、ホテルに帰った。すでに21時を過ぎていた。


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