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太陽 [感想文]

イッセー尾形「昭和天皇」日本公開決定…ロシア映画「太陽」:芸能:スポーツ報知



 観てきました『太陽』、はい。

 賛否両論あるだろう。ただ、それが作品のデキの良し悪しを論じてのことではなく、日本での公開や、この映画が制作されたこと自体を問題視しての賛否だとしたら、そちらのほうが問題だ。

 「戦争責任の所在」というのは、この映画の主題ではない。
 「天皇制の是非」を直接問うような表現も、もちろんされてない。

 『太陽』は、あるひとりの実在した“人間”を題材に、彼の心情を、史実と想像とを駆使して再現しようとした、世界にあまたある(ノンフィクションに限りなく近い)フィクション映画のひとつにすぎない。
 実像は知る由もないが、それでもわたしの知る限りにおいては、歩き方、首の角度、くちびるの動き等、ものまねのレベルを超えて“昭和天皇ヒロヒト”そのものになりきっていたとも見えるイッセー尾形の演技。その役への入り込み方、つくり込み方を見る限り、これまでのイッセー尾形のひとり舞台のそれと変わりないように見えるし(実際、この『太陽』という作品自体、イッセー尾形のひとり舞台のようなものだった)、彼にとっても、“昭和天皇ヒロヒト”は数多く作り上げてきたキャラクターのひとつでしかないのではないか。
 なにも特別なことはないのだ。まずは作品そのものを映画論で語られるべきであり、イッセー尾形の演技に素直に驚嘆する。戦争論、社会論を持ち出すのは二の次でいい。そういう映画だ。

 といって、映画論を語る術はわたしにはないのだが。


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