ザンサイアン [感想文]
なんとも晴ればれとして。
雨が降っていても、その雨の美しさと、後に訪れるであろう澄みわたる青空に思いをはせ。
――あぁ、よかったな・・・――
すべてが良い方向に向かってる。まるくおさまってる。
「ムラサキの雲」ということばを聴くに及び、これまでの考えを改めた。
Coccoの“音楽活動休止期間”を“休止”と捉えるのは間違いなのではないか。今作で生まれかわり、“新生Cocco”となったわけではないようだ。
たしかに歌声や曲調からはCoccoの新境地を感じさせるが、それは前作『サングローズ』からの連続した変化のあらわれであり、Coccoは突然生まれかわったわけではない。「ムラサキの雲」が“休止”していた5年間の時の隔たりを埋め、つないでいるのだ。
『焼け野が原』に訪れた嵐に、今はやさしさをも湛えたきらめきを感じ、「もう歩けな」かった道を再び進みはじめ、5年の時をかけてついに“ハッピーエンド”にたどり着いた。
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